ステンレスのヤング率、ポアソン比など機械的性質について

鋼種ごとで機械的性質は少しずつ異なりますが、大きく見るとマルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系かでほぼ特性が決まります。 代表的なステンレスの機械的性質の例を表1に示します。

マルテンサイト系は焼き入れ前の焼鈍材ではフェライト組織になっているため機械的性質はフェライト系とほぼ同等です。 フェライト系とオーステナイト系で比べると、オーステナイト系は引張強さが大きく加工による硬化が大きく伸びも大きいのが特徴です。 また、低温脆化が無く低温用途にはオーステナイト系が用いられます。

表1 ステンレス鋼の主な材料特性

鋼種の機械的性質 マルテンサイト系
(13Cr系)
SUS410
フェライト系
(18Cr系)
SUS430
オーステナイト系
(18Cr-8Ni系)
SUS304
炭素鋼
SN400
弾性係数(kN/mm2 200 200 193 205
耐力(降伏点)(N/mm2 275 305 255 275
引張強さ(N/mm2 510 550 590 430
降伏比 0.53 0.55 0.43 0.64
伸び(%) 25 27 60 28
耐低温性 不良 不良 -200℃以下
(遷移温度なし)
-45℃で
靭性が低下
耐高温性(300N/mm2の引張強さを保つ温度範囲) 600℃ 550℃ 700℃ 450℃

構造部材やバネにおいては、ヤング率(弾性係数)が重要です。 ステンレスでは表1に示すようにほとんど普通鋼と同じ値となります。 ポアソン比も普通鋼とほぼ同じ0.3程度ですが、公表データは少ないのが実情です。またこれらの値は、温度とともに変化します。

図1に示すように、弾性係数は温度の上昇とともに低下しています。
平成12年の建築基準法改定において、建築構造材へのステンレスの使用が可能になりました。
この用途には、素材としてのJISG4321「建築構造用ステンレス鋼材」が整備され、強度設計基準も整備されています。

また溶接形鋼、溶接材料、高力六角ボルト等については(社)ステンレス構造建築協会規格SSBS101-2001,201-2001,301-2001等が整備されました。

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