一般配管用ステンレス鋼鋼管の継手性能基準
(SAS322:2016)

概要

一般配管用ステンレス鋼鋼管の管継手性能基準は、給水・給湯・冷温水などの配管に使用される管継手に要求される性能について規定したものです。

適用範囲

この基準は、給水・給湯・冷温水の配管及びその他の配管に使用するJIS G 3448:2016(一般配管用ステンレス鋼鋼管)(以下、管という。)の接合に用いるメカニカル形管継手(以下、管継手という。)について規定します。
注:メカニカル形とは、管及び継手を加熱または溶接することなく、原則として施工現場で管を切断または加工し、継手に内臓したシール部材や抜け出し防止機構によって機械的に接合できる構造を持つ接合方式をいう。

種類

管継手の種類は、呼び圧力、施工方法、呼び方(Su)の組み合わせによって、以下のとおりです。

呼び圧力 施工方法 呼び方(Su) 最高使用圧力 MPa
10K プレス式
拡管式
ナット式
転造ねじ式
差込式
カップリング式
8~300 1.0
20K 8~100 2.0

製造方法

●管継手本体は鋳造、塑性加工、溶接、機械加工などによって製造されます。

形状・外観

●管継手の管を挿入する部分の形状は、実用的に正円で、その端面は継手の軸線に対し直角でなければなりません。
●管継手の内外面は、仕上げが良好で、使用上有害な鋳巣、鋳バリ、砂焼き付き、砂噛み、スケール、割れ、傷などの欠点があってはなりません。

試験

項目 試験条件 判定基準
対象 試験圧 保持時間
気密試験 管継手本体。 0.6MPa試験下限空気圧による。 5秒 漏れ、その他の異常がないこと。
負圧試験 管継手に250mm以上の管を接合。 -96KPaに減圧。 2分 吸込み、その他の異常がないこと。
水圧試験 管継手に250mm以上の管を接合。 表1の水圧試験圧力による。 2分 漏れ、破壊、抜け、その他の異常がないこと。
引抜試験 管継手に250mm以上の管を接合し、0.2MPaの空気圧を封入した状態で、空気が漏れるまでの最大荷重を測定する。 表2に示す引抜阻止力に適合すること。

その他の品質項目として以下が規定されています。
●振動試験 ●冷温水サイクル試験 ●内圧繰返し試験 ●腐食試験 ●実体による促進劣化試験 ●浸出性能試験

表1 水圧試験圧力 単位MPa

呼び圧力 試験圧力
10K 2.5
20K 3.5

表2 引抜阻止力 単位kN

呼び方(Su) 引抜阻止力(最小値)
8 1.1
10 1.7
13 2.2
20 3.8
25 4.9
30 7.0
40 8.8
50 10.1
60 15.8
75 19.8
80 30.9
100 39.7
125 48.5
150 86.0
200 112.8
250 139.8
300 165.7

表3 ゴムの種類、耐熱温度及び用途

ゴムの略号 ゴムの種類
(詳細呼称)
耐熱温度
(℃)
用途
給水
給湯
冷温水
冷却水
高温水 蒸気
還管
IIR ブチルゴム 0~80
CIIR 塩素化ブチルゴム 0~80
FKM フッ素ゴム 0~100
フッ素ゴム
(特殊 フッ素ゴム)
0~130
HNBR 水素化ニトリルゴム -15~100
EPDM エチレンプロビレンゴム a) 0~80

注a) エチレンプロビレンゴムは、耐塩素系材質とする。