作品カテゴリー:建築・土木部材
洗足学園音楽大学 シルバーマウンテン・eキューブ
k/o design studio + KAJIMA DESIGN
選考理由

 コンクリートの自由曲面で作られた音楽大学のリハーサルスタジオ全体をステンレスの一文字葺きで覆ったもので、伝統的な屋根葺き構法を採用しながら、最新の3Dプログラム解析により自由曲面の施工を可能にしたものです。
 8000枚のステンレス板のうち大半をW600mm×H400mm定尺寸法でハゼ部分の僅かなクリアランスを利用して曲面に対応できるようにコンピュータ解析し、残りのパネルについても全て形状を割り出して施工したもので、クリア塗装を施したフェライト系ステンレスの僅かな輝きと鱗のような美しいねじれ模様が特色です。コンクリート躯体の精度管理にはレーザー計測を使い、モルタルでレベルを調整した外断熱構法で、ステンレスの新たな利用法として今後の大いなる応用が期待されています。また夜間のLEDによるRGBのカラー照明により昼間と異なる幻想的な姿が注目され、音楽大学の新たな顔となりつつあります。
 ステンレスという工業材料を斬新な手法でコンピュータを駆使して、新たな表現の領域を開いたものです。
使用鋼種:SUS445J2
使用量等:8,000kg 程度
推薦会社:日本金属工業株式会社