作品カテゴリー:建築・土木部材
二相ステンレス鋼板製配水池(米子配水池)
森松工業株式会社
選考理由

 鳥取県米子市水道局が建設した新配水池に、二相ステンレス鋼が使用されています。このうち中央配水池(16,000㎥)は、水道用ステンレス鋼製角型配水池としては国内最大規模です。配水池の外面は地域のシンボルとしての美観が求められますが、海に近く日本海側の強い季節風により潮風が吹きつけられ、また一方で内面は飲料水の消毒のため次亜塩素酸ナトリウムが投入されるため、使用材料には内外面とも厳しい腐食環境に耐えるだけの高い耐食性が求められます。また同時に、大量の飲料水を貯蔵する際の水圧に耐えるだけの高い材料強度が求められます。これらのニーズに対応するため、米子配水池ではオーステナイト・フェライトの二相ステンレス鋼のもつ「高耐食性」と「高強度」を生かした材料選定となっており、内外面の塗装が不要など維持管理でも有利となります。
 ステンレス製配水池は優れた耐震性、水密性に加えて、短期間での設置が可能です。
 昭和40年代前後に建設されたコンクリート製配水池の老朽更新が進むなか、リサイクル性にも富むステンレス鋼の需要拡大に貢献できるものです。
使用鋼種:SUS329J4L(SUS316,SUS304)
使用量等:440,000kg
推薦会社:新日鐵住金ステンレス株式会社、株式会社UEX