作品カテゴリー:建築・土木部材
隅田川テラス連絡橋
矢田工業株式会社
選考理由

 隅田川テラス連絡橋(大島川、月島川)の2橋は、国内ではまだ事例が2件しかない二相ステンレス鋼を主要部材として採用した橋梁であり、橋長40m〜50mはステンレス橋としては国内で最長です。
 周囲の景観に配慮した設計となっており、江戸情緒を感じさせる屋形船をイメージした外観を実現させるために、主桁断面の屋外での溶接技術などを駆使して製作されました 。
 施工面では、硬質で矯正作業が難しい二相ステンレス鋼の特徴を考慮して、溶接時の熱ひずみを極力発生させない様に配慮したほか、強加工によるスプリングバック量を考慮に入れて地覆角部の折り曲げ作業に工夫を凝らしました。
 更に、再塗装メンテナンスなど将来の維持管理の負荷を軽減し、ライフサイクルコストの低減にも大きく寄与しています。
 大型のステンレス橋の設置により、隅田川河口エリアの回遊性が向上すると同時に、周囲の建築物や構造物と調和した新しい水辺の都市景観が生み出されています。

使用鋼種:SUS821L1
使用量等:200,000kg (2橋合計)
推薦会社:日鉄ステンレス株式会社