報告書・レポート欄に「建築設備用ステンレス配管の水質指針-改訂版1」を新しくしました

建築設備用ステンレス配管の水質指針-改訂版1

ステンレス屋内配管において材料側に明らかな欠点がなくても、水質条件によっては、孔食、すきま腐食、応力腐食割れ等が発生する事例があり、ユーザーからステンレス鋼を屋内配管設備として使用する場合の ( 耐食性の観点からみた ) 水質限界を明らかにして欲しいとの要望を強く頂いています。
このため、ステンレス協会では、平成10年(1998年)に暫定的に「建築設備用ステンレス配管の水質指針」を発行しました。(HP及び「ステンレス、第42巻12号、1998年、ステンレス協会」で報告しました。)
その後、漏水事故事例で、遊離残留塩素(以下、残留塩素と記述)の影響を含めないと説明がつかない事例が出てきていること及びステンレス協会会員会社及びユーザーにおいて新たに研究がなされ、報告書が公開されたため、その成果を活用させて頂き、中水など残留塩素が多量に添加された水の使用や、大型建築物件で塩素滅菌処理を現地で実施する場合、必要以上に添加しないよう注意を喚起することを主目的として、水質指針の改定版を発行するに至りました。
改訂版では、残留塩素と自然電位の関係図、各種残留塩素濃度における腐食発生限界に及ぼす塩化物イオンと炭酸水素イオンの関係図を策定し、実環境を推定した溶接継手用の腐食発生限界水質区分簡便図及びメカニカル継手用のすき間腐食発生限界水質区分図を設定しました。
今後、更に実態調査や文献調査を継続実施し、ステンレス配管を安心して使用して頂けるよう、水質指針を信頼性の高いものに少しでも近づけたいと考えています。