会長就任に際して 西馬孝文新会長

 

 

 

 

ステンレス協会 会長
西馬 孝文
(JFEスチール株式会社 常務執行役員)

この度、ステンレス協会の第67回定時総会におきまして、会長に就任いたしましたので一言ご挨拶を申し上げます。 

ステンレス鋼は、今さら言うまでもなく、耐食性や耐熱性、強度、意匠性、高リサイクル性などの多様な機能を併せ持つ素晴らしい金属です。ステンレスの発明から約100年が経過しましたが、その間に新たな用途や鋼種が開発され、私たちの日常生活を支える不可欠な素材の一つとなりました。また、世界のステンレス生産量は現在も過去最高を更新しており、今後も、国際経済や社会が発展していく過程で大きな可能性を有していると考えております。

しかし、現在、わが国のステンレス産業が様々な課題を抱え、大変厳しい時期にあることも事実です。日本のステンレス内需は、加工組立型産業の海外移転や間接輸入の増加などを背景に、2000年代半ばより停滞色を強め、金融危機で著しく落ち込んだ後、回復のテンポは緩やかなものにとどまっております。また、東アジアにおきましては、中国や韓国が生産能力の増強を進める一方、需要の拡大が鈍化していますことから、供給過剰が顕在化してきており、わが国にとっても、輸出市場での競合激化、輸入圧力の増大という形で、大きな影響がでてきております。さらに、製造分野におきましても、中国の需要増や資源国の思惑、投機的資金の流入などを背景とする原料価格の高騰や、電力価格の上昇などにより、生産コストの増大を余儀なくされています。日本経済の回復に伴い、国内ステンレス市場にも明るさがでてきておりますが、構造的な問題が解消したわけではなく、暫くは試練の時期が続くものと思われます。
半面、わが国のステンレス産業には、技術の先進性や研究開発体制に裏付けられた、高品質で多彩な鋼種の製品を製造するプロセスや、優れた需要家および流通を有しているという強みがあり、業界は当面の困難を乗り越えて、更なる発展を実現していくものと信じております。

ステンレス協会は、昭和34年(1959年)に設立され、半世紀を越える歴史を積み重ねてきました。この間、ステンレスの市場開発活動や調査統計事業、標準化事業などを推進し、業界の発展に貢献して参りましたが、これらは協会のコア事業として、今後も充実させていく必要があります。また、わが国のステンレス産業を取り巻く環境が大きく変化しつつあることを踏まえますと、通商問題、環境問題、国際ステンレスフォーラム(ISSF)などを通じた国際動向の把握といった分野にも積極的に取り組み、ステンレスに特化した問題が発生した際に俊敏に対応していく体制を整備していきたいと考えております。

最後になりますが、会員各社の格別のご指導とご支援をお願いし、会長就任のご挨拶とさせていただきます。

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